ペットは、私たちの心を癒し、心を豊かにする存在として多くの人々に飼われています。
しかしこうした中、心ない一部の無責任な飼い主さんがいることも事実であり、 トラブルをおこしたり、迷惑をかけたり不快な思いを周囲に与えたりすることも多く見られます。

犬は人以上に感受性の強い動物です。私たち人間社会に「子を見れば親がわかる。親を見れば 子がわかる。」という諺があるように、犬と私たちの関係も同じ、養育する者の心、性格が その感受性の強い犬に移ります。

そこで正しく、美しい犬との共生を願って、苑長が68年犬と共に生き、歩いてきた経験から、 飼い主さんのマナー、わんちゃんのしつけなどトレーニングの言葉を順次綴っていきます。
是非楽しんで読んでいただき参考にしていただければ幸いです。



第9回 犬の存在価値を認識しよう! 2011.9.10

犬は、五つの大きな役割を持っています。

★犬は、すばらしい家庭教師である。
★犬は、すばらしい精神カウンセラーである。
★犬は、ケンカの仲裁役をしてくれる。
★犬は、合理的な家計のやりくりを教えてくれる。
★犬は、すばらしい社会貢献者である。



犬との幸せな共生に当たって、犬の五つの大きな役割についてお話したいと思います。

まず一つ目の『犬は、すばらしい家庭教師である』についてお話します。


よくするたとえ話で、  たとえば、家の中でお母さん、子供が留守番をしていたところへ車でお父さんが帰宅したとしましょう。
犬は玄関の戸が閉まっていても、お父さんの車のエンジン音、足音などで誰よりも早くお父さんの帰宅に気付き、 まっさきに喜びの声をあげ、尾をふり「お父さんお帰りなさい」と玄関に出迎えます。
さて、その時お母さんと子供はというと、テレビを見ていたり、子供はゲーム等で知らん顔・・・ こんな家庭が大半のように聞きます。犬は帰宅を知り、喜び、歓迎、尊敬の念で出迎えます。 お父さんは、とても嬉しいはずです。犬に出迎えられたお父さんの顔を見てください。 これは、逆にお母さん、子供さんでも同じことが言えます。
 さてここで、犬と共に玄関にお母さん、子供共々「お父さんお帰りなさい。ご苦労様」と出迎えたら、 お父さんの心の内はいかがでしょう。疲れもふっとんで、心がなごみ、その後の家庭の中は和やかでしょう。 犬は言葉がないかわり、玄関まで出迎えるという単純な行動をいつもしているわけです。
 私は、小さな子供さんのいるご家庭こそ「犬を飼いなさい!」と勧めています。 親への尊敬心が持てない子供が多い昨今です。お母さんが犬の動きに気付き、犬と子供と共に玄関まで出て行く、 この行動のくり返しの中で、小さな子は、自然体で行動がとれ、親への尊敬心も自ずと芽生えてくるでしょう。 単純行動のくり返しができないのも人間の一つの姿ですが、犬はこうして私達に深いものを示唆してくれているのです。

二つ目は、『犬はすばらしい精神カウンセラーである。』についてお話します。

 さきほど犬は、人間以上に感受性の強いものといいました。人間以上に、人間の目つき、顔の表情、動態をみて、 人間の心の内を素直にすばやくよみとります。
たとえば・・・大変疲れきって、いつになくふさぎこんだりしていたとしましょう。 そんな時、はじめは落ち着きませんが、異変に気付き、そばにきて体をくっつけたり、ひざに乗ったり、 手をなめたり、一生懸命顔を見たりします。しばらくはそばに寄り添ってくれたりします。
言葉で意思伝達ができないため、自分の動きで心配の意思を伝えようとします。 そんな時けなげな犬の動きに癒され、気力がわくことがあります。
 実際犬を抱いたり、撫でたり、話かけることによって、ストレスが和らいだり、 うつ状態が良くなることが臨床的にも証明されています。
 犬には、薬にはない大きな力が存在するように思います。

三つ目は、『犬は、ケンカの仲裁役をしてくれる。』について

 犬は、人間がケンカをしている姿を見るのが大きらいです。
人間でもけんかをしている人のそばにいるのは嫌なものです。犬はなおさらです。 必ずいったんその場から離れようとしますが、そのうちみかねると、必ず声の大きい方へ来て 、下から「やめたら!」と目で訴えます。これをアイトークといいます。  そんな時、怒っている方は、必ず目が犬に移ります。そのうち犬の頭をなでたりして、一瞬怒りの心が和らぎます。
こんなように犬はやんわりとけんかの仲裁をすることがあります。

四つ目は、『犬は合理的な家計のやりくりを教えてくれる。』

 これは、第7回『わんちゃんは、家計のやりくり先生!』でもお話ししたことがありますが 、極端で笑い話ではありますが、なるほど!というお話です。
 たとえば、犬の食事の基本は飼い主が勝手に決めたドッグフードと犬用おやつですんでいます。 人はと言うと、フードセンターで今日は焼き肉、明日はてんぷら等など人間の食欲にまかせた献立の365日です。
これを、仮にメニューを4、5種類に決めて365日のローテーションを組んでみたらどうでしょう?
欲のある人間もこれなら同じメニューは4日か5日に一回で、そんなに不満なく生きられるはずです。
これは、合理的で経済的な買い物に結びつき、無駄遣い防止につながるのではないでしょうか?
 犬は、何の苦言もなく365日を過ごしています。いつも満足そうな顔です。
犬の食生活をみて人間のどん欲性をセーブしてみてはいかがでしょうか?

五つ目は、『犬はすばらしい社会貢献者である。』

 犬は、家庭犬としての働きはもとより、人間社会において、人間にはできない大きな貢献をしております。
盲導犬、介助犬、聴導犬、救助犬、警察犬、麻薬探知犬、セラピー犬等などです。
ここでは、それぞれの犬の仕事・働きについては述べませんが、いずれにしても我々の社会になくてはならない存在です。

 五つの犬の存在価値についてお話してきましたが、再認識していただけたでしょうか?
 私は本当に家族の一員として犬と共生をするという意義を見出していただきたい一心でいつも このように分かりやすいたとえ話をしています。
所詮、人間も犬も同じ哺乳動物、それぞれがそれなりの能力をもった動物であり、 その能力の元で相互に刺激しあい共存しているわけです。
 犬の存在価値に気付いていただき、共生の在り方を思っていただくことにより、正しく、 美しく、楽しい日々を送っていただけるものと確信しています。





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     第1回 犬との共生に当たって!
     第2回 しつけとは・・・犬の社会化について考えよう!
     第3回 悩み事の対処方法を考えよう!
     第4回 (続)悩み事の対処方法を考えよう!
     第5回 ポチ森ドックランの魅力
     第6回 ドッグランで早く犬同士を仲良くさせるテクニックは?
     第7回 わんちゃんは、お母さんの家計のやりくり先生
     第8回 犬種別犬の歴史・特徴について〜愛犬の歴史知っていますか?






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